長崎の不動産売却相場を徹底解説|高く売るためのポイントは?

長崎で不動産を売りたいと思っても、「いくらで売れるのか」「いつ売るのが良いのか」は多くの人が迷うポイントです。

この記事では、長崎市を中心に県内の不動産売却相場を、マンション・一戸建て・土地のタイプ別に解説します。さらに、売却価格を左右する要素や高く売るためのポイント、手続きの流れまで詳しく紹介します。

長崎エリアの相場を把握し、自分の物件をより良い条件で売却するための参考にしてください。

長崎の不動産売却相場の現状

長崎県全体の地価は、2015年(平成27年)頃までは緩やかな下落が続いていました。しかし2019年(平成31年)ごろを境に下げ止まりの傾向が見え、2021年(令和3年)は新型コロナの影響で一度マイナスに転じたものの、その後は再び回復。

2025年(令和7年)では、県全体で+1.2%まで上昇幅が広がり、住宅地と商業地のどちらも+1.4%とプラスを維持しています。

長崎県では人口の減少傾向が続く一方、都市部や交通の利便性が高いエリアでは安定した需要が見られます。

特に長崎市中心部や新幹線開業後の長崎駅周辺では再開発が進み、マンション需要が堅調です。

2024年時点での長崎市の中古マンション平均成約単価は、1㎡あたり約27万円前後※。一戸建ての平均成約価格は2,000〜2,800万円程度、土地は坪単価で20〜40万円程度が相場とされています。

郊外エリア(長与町・時津町など)は中心部より1〜2割ほど価格が低い傾向ですが、静かな環境や駐車スペースの確保などから、ファミリー層に人気の地域もあります。

過去3年の動向をみると、マンション価格はやや上昇傾向、一戸建てと土地は横ばいからやや下落傾向です。人口減少の影響を受けながらも、再開発や交通インフラ整備によって地域ごとの格差が広がっています。

※参考:国土交通省「土地総合情報システム」 https://www.land.mlit.go.jp/webland/

不動産の種類別に見る長崎の売却相場

マンションの相場

長崎市中心部では、浜町や長崎駅周辺など人気エリアの中古マンションが高値で取引されています。
築10年以内・駅徒歩10分圏内の物件であれば1㎡あたり30万円前後、築20年以上になると20万円前後まで下がる傾向があります。

長崎市のマンション相場は、築年数や立地による価格差が非常に大きいのが特徴です。特に築10年未満の築浅物件や、長崎駅周辺、中心市街地(浜町・思案橋周辺)など利便性の高いエリアは需要が堅調で、平均よりも高い価格帯で取引される傾向があります。

一方で、築30年を超える物件や、交通アクセスがバス頼りになる郊外の物件は、価格が下落しやすい傾向も見られます。

※参考:不動産流通推進センター「成約事例データ」

一戸建ての相場

長崎市中心部では一戸建ての売却価格が2,500万円前後、郊外の長与町・時津町では2,000万円前後が目安です。
ただし築30年以上の建物は評価額がほぼゼロになるケースが多く、実質的に土地の価格で取引されることが一般的です。

長崎市特有の事情として、傾斜地や狭い道路に面した物件も多く、そうした物件は平坦地の整形地と比較すると査定額が低くなる傾向があります。

ただし、これらの数字はあくまで長崎市全体で取引された物件の「平均値」に過ぎません。あなたの不動産がこの価格で売れることを保証するものではない点に、注意してください。

土地の相場

土地の価格は立地条件に大きく左右されます。長崎市中心部では坪単価30〜40万円前後、長与町や時津町などの住宅地では20万円前後が目安です。


長崎は坂の多い地形のため、接道条件や造成のしやすさが価格を大きく左右します。平坦地・角地・日当たりの良い土地は高値で売れやすく、逆に斜面地や狭小地は相場より1〜3割ほど低くなる傾向があります。

※参考:長崎県地価公示/国土交通省地価調査

エリア別の相場推移

上昇の大きい市:公示地価:2024年対2025年比

市町全用途の変動率
大村市+3.2%
諫早市+2.6%
佐世保市+2.0%
長崎市+1.5%

下落した市:公示地価:2024年対2025年比

市町全用途の変動率
南島原市▲3.1%
五島市▲2.0%
西海市▲2.0%
雲仙市▲1.7%

上昇が顕著な長崎駅周辺

地域(長崎市)㎡単価変動率
宝町472,000円/㎡+5.8%
五島町836,000円/㎡+2.8%
万屋町526,000円/㎡+2.1%

背景には、

  • 西九州新幹線の開業
  • 駅前再開発
  • 商業施設の拡充
  • 交通利便性の向上

があり、マンション・戸建の需要が高まっています。「駅周辺に物件を持っている」=売却が有利になりやすい環境といえます。

長崎市の売却相場に影響を与える地域特性

全国一律の相場データやAI査定では決してわからない、長崎市ならではの「地域特性」が、不動産価格に大きく影響します。 私たち長崎の不動産会社が査定を行う際、特に重要視しているポイントを解説します。

1. 坂・傾斜地の影響

長崎市は「坂の街」と言われる通り、平坦地が少なく傾斜地に建てられた住宅が非常に多いのが特徴です。

マイナス評価になりやすい点

物件にたどり着くまでに急な階段が何十段もある、物件のすぐそばまで車が入れない(日々の買い物や将来の介護が不安視される)、擁壁(ようへき)の安全性が不明瞭、など。

プラス評価になりやすい点

坂の上だからこその「圧倒的な眺望」(長崎港を見下ろせるなど)、高台で日当たりが非常に良い、車の通りが少なく静かな住環境、など。 「坂の上だから売れない」と一概に決まるわけではなく、そのデメリットを上回るメリット(特に眺望)があるか、アクセスが許容範囲かが査定の分かれ目となります。

2. 道路付け(接道状況)と道幅

長崎市の中心部や古くからの住宅地では、道幅が非常に狭いエリア(狭隘道路)が点在しています。

接道義務

建築基準法では、原則として「幅員4m以上の道路に2m以上接し」ていないと、建物の新築や建て替えができません(再建築不可)。

査定への影響

ご所有の戸建てが「再建築不可」の物件であった場合、買主は住宅ローンを組むのが難しくなったり、将来建て替えができないリスクを負ったりするため、相場よりも大幅に低い査定額となるケースが一般的です。

車のアクセス

前面道路が狭く、軽自動車しか入れない、または駐車場が確保できない立地も、長崎市では珍しくありません。これも利便性の観点からマイナス評価につながりやすいポイントです。

3. エリアごとの近年の動向

市全体の平均相場だけでなく、エリアごとの需要動向も価格に影響します。

長崎駅周辺

西九州新幹線の開業や「長崎スタジアムシティ」プロジェクトなど、大規模な再開発が進むエリアは、将来性への期待感から地価・マンション価格ともに堅調に推移しています。

中心市街地(浜町周辺)

商業施設や交通の利便性が集中するエリアは、根強い需要があります。

郊外エリア

利便性の高い特定の地区や新興住宅地を除き、人口減少や高齢化の影響を受けやすいエリアでは、相場は横ばいか、やや下落傾向にある場所も見られます。

このように、長崎市の不動産売却は、地形や法律(接道)、地域の再開発といった「ローカルな事情」が複雑に絡み合っています。

「売却相場」と「実際の査定額」が異なる理由

ここまで相場の調べ方や長崎市の特性を解説してきましたが、最もお伝えしたいのは**「相場価格と、あなたの不動産の実際の査定額は全く別物である」**という事実です。

「近所の物件が3,000万円で売りに出ているから、うちも3,000万円くらいで売れるだろう」 「AI査定で2,500万円と出たから、それが目安だ」

このように「相場」を鵜呑みにすると、売却活動で失敗する可能性が高くなります。なぜなら、相場はあくまで「平均」や「他人の希望価格」でしかないからです。 実際の査定額は、以下の「物件の個別要因」によって、相場よりも高くも低くもなります。

査定額を決める「物件の個別要因」とは

不動産会社が訪問査定(現地調査)を行う際、データだけではわからない以下のポイントを詳細にチェックし、価格を算出します。

建物の状態(劣化・維持管理)

  • 室内の壁紙や床の傷み、水回り(キッチン、浴室、トイレ)の汚れや古さ、リフォームの履歴、雨漏りの形跡の有無。
  • マンションではエントランスや廊下など共用部分の清掃状況、管理規約の内容、修繕積立金が計画通りに貯まっているか、管理組合が機能しているか。
  • 管理状態(戸建て)では、外壁のひび割れ、屋根の状態、シロアリ被害の有無、庭の手入れ状況。

日当たり・眺望・階数

  • 同じマンションでも、南向きで日当たり良好な中層階以上の部屋と、北向きで目の前に建物がある1階の部屋とでは、査定額は数百万円単位で変わります。
  • 長崎市特有の「眺望」は、他の要素が多少不利でも大きなアピールポイントになる場合があります。

土地の状況(戸建て)

  • 土地の形状(きれいな長方形か、旗竿地や不整形地か)。
  • 隣地との境界線が明確になっているか(境界杭の有無)。

周辺環境

  • 騒音、振動、近隣の匂い(飲食店、工場など)。
  • 近隣にネガティブな施設(例:ゴミ屋敷、反社会的勢力の事務所など)がないか。
  • スーパー、病院、学校までの実際の距離や道のり(坂道の有無など)。

これらの「個別要因」は、一つとして同じものがありません。だからこそ、不動産売却は「相場」ではなく、あなたの物件の「個性」に基づいた「査定額」で考える必要があるのです。

なぜ「訪問査定」が必要なのか

AI査定や簡易査定は、これらの個別要因を一切無視して「築年数」や「広さ」といったデータだけで価格を弾き出しています。 しかし、プロの目で現地を見る「訪問査定」でしかわからない価値があります。

プラス要因をみつける

データ上は築20年と古くても、室内が非常に丁寧にリフォームされており、水回りも最新のものに交換されていれば、相場より高く評価できます。 図面ではわからなかった「窓からの美しい眺望」や「風通しの良さ」、「管理組合の良好な運営」などは、訪問査定でしか発見できない強力なアピールポイントです。

マイナス要因(リスク)の確認

逆に、データではわからない「雨漏りのシミ」や「シロアリの痕跡」、「隣地との境界トラブルの可能性」などを事前に把握することも重要です。これらを隠して売却すると、売却後に買主との間で契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を問われ、多額の損害賠償を請求されるリスクがあります。

正確な売却可能価格を知るため、そして売却後のトラブルを防ぐためにも、データだけの簡易査定で満足せず、必ず複数の不動産会社による「訪問査定」を受けることが不可欠です。

長崎市の不動産売却相場を知った後にすべきこと

長崎市の売却相場を調べ、相場と査定額の違いを理解したら、いよいよ売却に向けた具体的な行動に移ります。

ステップ1:売却の目的や時期を明確にする

「なぜ売るのか」「いつまでに売りたいのか」を明確にしましょう。 (例:「子供の進学に合わせて買い替えたいので、半年後までに売りたい」「相続したが使う予定がないので、できるだけ早く現金化したい」) 売却の期限によって、取るべき価格戦略(強気でいくか、早期売却を目指すか)が変わってきます。

ステップ2:地域密着の不動産会社に「訪問査定」を依頼する

不動産売却のパートナー選びは非常に重要です。特に長崎市のような地域特性(坂、道路、独特の土地勘)が価格に大きく影響するエリアでは、長年にわたり地元で実績を積んできた不動産会社に相談することが安心への近道です。

データだけでは判断できないプラス評価(眺望など)や、潜在的なリスク(擁壁、接道など)を正確に見抜き、「なぜその査定額になるのか」という明確な根拠を示せるのは、地域を熟知しているからこそです。

ステップ3:査定の「根拠」と売却戦略を確認する

査定額が提示されたら、「価格」そのものだけでなく、その「根拠」と「売却戦略」に納得できるかを確認しましょう。

  • どのようなプラス評価、マイナス評価をしたか?
  • 長崎市の地域特性をどう反映しているか?
  • その金額で売るために、どのような売却活動(広告方法など)を提案してくれるか?

信頼できるパートナーとして、売却完了まで二人三脚で歩んでいける会社かを見極めることがポイントとなります。

長崎の不動産売却のご相談はスター不動産まで

私たちスター不動産は、坂の街・長崎市の地域特性を熟知した不動産売却のプロフェッショナルです。データだけの査定ではわからない、あなたの不動産の「本当の価値」を見つけ出します。

長崎市での不動産売却に関するご相談、訪問査定のご依頼は無料ですので、スター不動産までお気軽にお問い合わせください。