New 2026-07-18
- 不動産売却
長崎で相続した空き家の売却と3,000万円特別控除|期限と要件をわかりやすく解説
長崎にある実家を相続したものの、誰も住まないまま空き家になっている——そんな状態のまま数年が過ぎてしまった、という方は少なくありません。売却も考えているけれど、「売ったら税金がいくらかかるのか」がわからず動けずにいる、という声もよく聞きます。
相続した空き家を売るときには、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。ただしこの特例には期限と細かい要件があり、条件を一つでも外すと使えません。この記事では、その要件と、多くの方が混同しがちな「2つの期限」を、長崎の実情に沿って整理します(2026年7月時点の情報)。

相続した空き家を売るときに使える「3,000万円特別控除」とは
正式には「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」といいます。相続または遺贈によって取得した被相続人の居住用家屋やその敷地を売却したとき、一定の要件を満たせば、譲渡所得の金額から最高3,000万円を控除できるという制度です。
出典:国税庁 タックスアンサー No.3306「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
この特例は、放置された空き家が増えることを抑えるための措置として設けられているものです。制度の位置づけや趣旨は国土交通省のページでも案内されています。
出典:国土交通省「空き家の発生を抑制するための特例措置」
売却によって出た利益(譲渡所得)から最高3,000万円を差し引ける制度です。相続した実家を売る場面では、使えるかどうかで手元に残る金額が変わってくる可能性があります。ただし、対象になるかどうかは家屋の建築時期・使われ方・売り方といった複数の条件で決まります(2026年7月時点の情報)。
相続人が3人以上の場合は2,000万円までになる
控除額は常に3,000万円というわけではありません。
令和6年1月1日以後の譲渡で、相続または遺贈により被相続人居住用家屋・その敷地等を取得した相続人の数が3人以上である場合、控除額は2,000万円までとなります。ご兄弟3人で実家を相続した、といったケースはここに当たる可能性があります(2026年7月時点の情報)。
長崎の実家をご兄弟で共有相続しているというご相談は実際によくあります。人数によって前提が変わる部分なので、相続人が何人いるかは最初に整理しておきたいところです。
混同しやすい「2つの期限」を整理する
この特例でいちばん誤解が多いのが、期限の話です。性質の違う期限が2つあり、そのどちらも満たす必要があります。
| 項目 | ①制度そのものの期限 | ②あなたの物件ごとの期限 | 実際に守るべきライン |
|---|---|---|---|
| 内容 | 特例が適用される譲渡の期間 | 相続からの経過年数による期限 | ①と②の両方を満たすこと |
| 期限 | 平成28年4月1日から令和9年(2027年)12月31日までの譲渡 | 相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで | 早いほうの日付が実質的な締切になる |
| 決まり方 | 全員共通 | 相続がいつ起きたかで人それぞれ | 2つを並べて、手前に来るほうを見る |
つまり、「令和9年末までならまだ余裕がある」と考えていても、相続の開始が早ければ②のほうが先に来ます。逆に②に余裕があっても、①の期限を越えてしまえば適用されません(2026年7月時点の情報)。
逆算すると「売却活動に使える時間」は思ったより短い
もうひとつ見落とされがちなのが、期限を判定する「譲渡の日」がいつになるのかという点です。資産を譲渡した日は、原則として買主に引き渡した日とされています。ただし、売買契約などの効力発生の日(一般的には契約締結の日)に譲渡があったものとして申告することもできるとされています(2026年7月時点の情報)。
出典:国税庁 タックスアンサー No.3102「譲渡所得の申告期限」
いずれの日で見るにせよ、そこにたどり着くまでには段階があります。不動産の売却は、次のように進みます。
-
査定・現地確認
物件の状態や立地を確認し、売却の見通しを立てます。
-
媒介契約・売り出し準備
権利関係や境界、残置物の状況を整理し、売り出す形を決めます。
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売却活動
買主を探します。ここに要する期間は物件によって差が大きい部分です。
-
売買契約
条件がまとまり、契約を結びます。
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引渡し
原則としてこの日が「譲渡の日」として期限の判定基準になります。
長崎市内でも、エリアや物件の状態によって買主が見つかるまでの期間には差があります。期限の直前に動き出すと、売却活動の時間そのものが取れなくなってしまいます。スター不動産では、期限が絡むご相談はまず現況の確認とスケジュールの逆算から着手し、動き出しを早められるよう対応しています。
対象になる家の条件|まず「昭和56年5月31日以前」かを確認
要件は数が多いのですが、「家屋そのもの」「使われ方」「売り方」の3つに分けると整理しやすくなります。
家屋についての条件
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
- 区分所有建物(分譲マンションなど)でないこと
昭和56年5月31日以前というのは、旧耐震基準で建てられた家屋という意味合いです。ここが最初の分かれ道になるので、まずは登記事項証明書などで建築時期を確認してみてください。長崎市内の実家は昭和40〜50年代に建てられた木造住宅も多く、この条件に当てはまるケースは決して珍しくありません。
使われ方についての条件
次に、その家が「どう使われていたか」「相続後にどう扱ったか」を見ます。
- 相続の開始の直前において、被相続人のみが居住していたこと
- 相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付け・居住の用に供されていないこと
2つめが特に注意すべきポイントです。
- 相続後に、その家を人に貸していた
- 相続後に、相続人やその家族が住んでいた
- 相続後に、店舗や事務所など事業のために使っていた
「空き家のままにしておくのがもったいないから」と一時的に貸し出したことで、結果的に特例の対象から外れてしまうことがあります。この点は、売却を視野に入れているなら早い段階で押さえておきたいところです。
売り方についての条件
- 売却代金が1億円以下であること
- 「特別の関係がある人」(親族など)への売却は対象外
1億円の判定は、その物件を分割して売った分や、他の相続人が売却した分も合算して行われます。ご兄弟それぞれが持分を売る場合、個々の金額ではなく全体で見る点に注意が必要です。
なお、ここに挙げたのは主な条件であり、実際に適用できるかは物件ごとの事情によります。ご自身のケースが当てはまるかは、税務署や国税庁のページで最新の要件をご確認ください(出典:国税庁 No.3306・2026年7月時点の情報)。
家屋のまま売る?取り壊して売る?耐震基準との関係
家屋を売る場合、譲渡の時において現行の耐震基準に適合していることが条件になります。ただし前述のとおり、対象になるのは昭和56年5月31日以前に建てられた家屋です。そのままの状態では耐震基準に適合しないことが多く、ここで手が止まる方が多くいらっしゃいます。
選べる形は、大きく3つあります。
| 項目 | 耐震リフォームして売る | 売主が取り壊して更地で売る | 買主が対応する形(緩和措置) |
|---|---|---|---|
| 内容 | 譲渡時までに耐震基準に適合させて家屋ごと売る | 売主側で建物を解体し、土地として売る | 買主が譲渡の時から譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに耐震リフォームまたは全部の取壊しを行う |
| 売主の費用負担 | 工事費がかかる | 解体費がかかる | 売主側の工事負担は生じない |
| スケジュール | 引渡し前に工事を終える必要がある | 引渡し前に解体を終える必要がある | 引渡し後の対応が前提になる |
| 向くケース | 建物を活かせる見込みがある | 更地のほうが買主を見つけやすい立地 | 売主側で先に費用や工期をかけたくない場合 |
3つめは令和6年以降の譲渡について設けられた緩和措置で、売主が引渡し前に工事を済ませなくてもよくなった点が実務上は大きい部分です(2026年7月時点の情報。詳細は国税庁 No.3306)。
買主が対応する形は、買主の協力と、期限内に実際に工事や取壊しが行われることが前提になります。売買契約の段階でその取り決めをしておかないと、後から成立しません。
どの形を選ぶかは、建物の状態・立地・買主の想定によって変わります。解体や耐震工事の費用は建物の規模や構造、現場の条件によって大きく変動するため、先に見積もりの目安を把握したうえで比べるのが現実的です。スター不動産では、売主様のご事情と物件の状況を踏まえて、どの売り方がいちばん条件に合うかをご一緒に整理しています。
あわせて読みたい
長崎で空き家を売却・活用する方法
https://star-real-estate.co.jp/news/182/
手続きの流れと「被相続人居住用家屋等確認書」
この特例は、売却すれば自動的に適用されるものではありません。一定の書類を添えて確定申告をすることが必要です。
その必要書類のひとつが「被相続人居住用家屋等確認書」です。
被相続人居住用家屋等確認書は、物件の所在地の市区町村で交付を受けます。長崎市内の実家であれば、長崎市の窓口で手続きすることになります。ご自身が県外にお住まいでも、手続きの窓口は物件のある長崎市側になる、という点は覚えておくと段取りが立てやすくなります。
全体の流れは次のようなイメージです。
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建築時期・相続開始日の確認
特例の対象になりうるか、まずここで見当をつけます。
-
売り方の決定
耐震リフォーム・取壊し・買主対応のどれで進めるかを決めます。
-
売買契約・引渡し
譲渡の日は、原則としてこの引渡しの日で判定されます。
-
確認書などの必要書類の準備
被相続人居住用家屋等確認書は長崎市の窓口で交付を受けます。
-
確定申告
譲渡した年の翌年の申告で、書類を添えて特例の適用を受けます。
被相続人居住用家屋等確認書は、申請してすぐに手元に届くものではなく、交付までに日数がかかります。売却スケジュールから逆算して、早めに準備を始めておくのが安心です。
必要書類の詳細や申告の手続きは個々の状況によって変わります。ご自身のケースで何が必要になるかは、国税庁のページや税務署で最新の内容をご確認ください(2026年7月時点の情報)。
長崎で相続空き家を売るときにつまずきやすいこと
制度の要件をクリアできそうでも、実務の段階でつまずくケースがあります。長崎でご相談を受けていて、特によくあるものを挙げます。
県外に住んでいて現地の判断ができない
草刈りや残置物の処分が進まないまま時間だけが過ぎ、気づけば期限が近づいていた、という状況は避けたいところです。地元にいる不動産会社が現地を確認できると、動き出しが早くなります。
斜面地・階段路地の物件で解体や工事の見通しが立てにくい
長崎ならではの事情として、斜面地や階段でしか上がれない路地の奥に建つ物件があります。
- 重機が入らない立地では、解体の工程や工期が通常と変わってきます
- 資材の搬入経路が限られると、耐震リフォームの段取りにも影響します
- 「取り壊してから売る」つもりが、想定どおりに進まないことがあります
こうした立地では、売り方の選択そのものを現地の条件から逆算して決める必要があります。図面や住所だけでは判断しきれない部分なので、現地を見たうえでの検討が欠かせません。
相続人が複数いて足並みがそろわない
相続人が複数いる場合、控除額(3人以上なら2,000万円まで)や、売却代金1億円以下という判定の合算にも関わってきます。誰がどう動くかで前提が変わるため、売却の方針は早めに共有しておくとスムーズです。
よくある質問
相続してから3年以上たっています。もう使えませんか?
この特例は「相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで」の譲渡が対象です。相続開始日が起点になり、3年ちょうどではなくその年の12月31日までとなる点がポイントです。まずは相続開始日から正確に数えてみてください(2026年7月時点の情報)。
相続後に少しの間だけ人に貸していました。対象になりますか?
相続の時から譲渡の時まで、事業・貸付け・居住の用に供されていないことが要件とされています。一時的であっても貸していた期間があると、要件を満たさなくなる可能性があります。個別の判断は状況によりますので、貸していた事実がある場合はその点も含めて確認が必要です。
兄弟で相続した実家を、兄だけが売る場合はどうなりますか?
売却代金1億円以下という要件は、他の相続人が売却した分も合算して判定されます。ご自身の売却分だけで見て1億円以下でも、合算すると超えるケースがあり得ます。また相続人が3人以上いる場合は控除額が2,000万円までとなるため、ご兄弟全体での整理が必要です(2026年7月時点の情報)。
まとめ|長崎の空き家、動き出すなら期限から逆算して
相続した空き家の3,000万円特別控除は、条件が合えば売却時の負担を軽くできる制度です。ポイントを整理すると次のとおりです。
- 期限は2つあり、令和9年12月31日までの譲渡と、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの両方を満たす必要がある
- 対象は昭和56年5月31日以前に建築された家屋で、区分所有建物は除かれる
- 相続開始の直前に被相続人のみが居住し、相続後は貸付け・居住・事業に使っていないこと
- 売却代金は1億円以下(他の相続人の売却分も合算)
- 適用には確定申告が必要で、長崎市の窓口で交付を受ける被相続人居住用家屋等確認書などの書類が要る
次に確認していただきたいのは、この3つです。
- 登記事項証明書などで、実家の建築時期が昭和56年5月31日以前かを確認する
- 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日がいつになるかを数える
- 家屋のまま売るか、取り壊すか、買主に対応してもらうかは、物件の現況を見てから決める
期限がある以上、迷っている時間そのものが選択肢を狭めてしまいます。とはいえ、売れる見通しが立たないまま解体費をかける判断もしにくいはずです。まずは実家がいまどんな状態で、どの売り方なら現実的なのか——そこがはっきりすれば、期限までに何をすべきかも見えてきます。
スター不動産は長崎市に根ざした不動産会社として、県外にお住まいの方の実家売却にも数多く対応してきました。現地の確認から売り方のご提案、引渡しまでのスケジュール組みまで、地元の土地勘をもとに粘り強くお手伝いします。長崎の空き家をどうするか迷っている段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。

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