New 2026-07-20
- 不動産売却
相続登記の義務化で長崎の実家はどうする?売却までの流れと期限
長崎にある実家を相続したものの、名義は親のまま、家は空き家のまま——という方は少なくありません。そこへ「相続登記が義務化されて、放っておくと過料がかかる」という話が耳に入り、不安になっているのではないでしょうか。いずれ売るつもりでも、名義が親のままでは売れるのかどうかがわからず、手が止まっている方も多いはずです。
この記事では、令和6年4月に始まった相続登記の義務化の中身と、実家を売るまでにどう動けばよいのか、混同しやすい期限も含めて、長崎の実情に沿って整理します。

相続登記の義務化とは|令和6年4月から始まった新ルール
相続登記とは、不動産の所有者が亡くなったときに、その名義を相続人へ変更する手続きです。これまでは任意でしたが、令和6年(2024年)4月1日から義務化されました。
具体的には、相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請をすることが求められます。
出典:法務省「相続登記の申請義務化について」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00565.html
相続登記の義務化のポイントは3つです。ひとつ、令和6年4月1日から始まった制度であること。ふたつ、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請する義務があること。みっつ、正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になりうること。所有者不明の土地が増えるのを防ぐために設けられた仕組みです。
背景には、名義変更がされないまま放置され、持ち主がわからなくなった土地が全国で増えている問題があります。長崎のように古くからの住宅地では、こうした名義未変更の物件が身近にあるのも実情です。
過去に相続した実家も対象になる(経過措置)
「うちの相続はずっと前のことだから関係ない」と思われるかもしれませんが、そうとは限りません。
相続登記の義務化は、施行日より前に発生した相続にもさかのぼって適用されます。過去に相続した不動産の場合、施行日(令和6年4月1日)か、相続で取得したことを知った日の、いずれか遅いほうの日から3年以内が申請の期限とされています。「昔相続してそのままにしている実家」こそ、期限を確認しておきたいところです。
出典:法務省「不動産を相続した方へ~相続登記・遺産分割を進めましょう~」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
なぜ売る前に相続登記が必要なのか
義務化とは別に、そもそも実家を売るつもりなら、相続登記は避けて通れません。ここが多くの方に誤解されているポイントです。
不動産を売買するときは、売主から買主へ「所有権移転登記」を行います。この登記は、登記名義人本人からしか行えません。つまり、名義が被相続人(亡くなった親)のままだと、その名義で売買契約を結んで買主へ名義を移す、ということができないのです。
「名義は親のままだけど、実際に管理しているのは自分だから売れるだろう」と考えてしまいがちですが、登記の世界では名義人が誰かがすべてです。相続した実家を売るには、その前に相続人へ名義を移す相続登記が必要になります。義務化されたからというより、売却するために必ず通る手続き、と考えておくとわかりやすいはずです。
買主の側から見ても、名義が整理されていない物件は権利関係が不透明で、住宅ローンの審査でも敬遠されます。売り出す前に名義を整えておくことが、結果的にスムーズな売却につながります。スター不動産では、ご相談の最初の段階で、実家の名義がいまどうなっているかの確認からご一緒に進めています。
長崎の実家を相続してから売るまでの流れ
相続した実家を売るまでには、名義の整理と売却活動を並行して進めていくことになります。全体の流れは次のようなイメージです。
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相続の発生・現況の確認
誰が相続人かを整理し、実家の名義や状態を確認します。
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遺産分割協議
相続人が複数いる場合、誰がその不動産を取得するかを話し合って決めます。
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必要書類の収集
被相続人の出生から死亡までの戸籍、相続人の書類などを集めます。
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相続登記
取得する相続人の名義へ変更します。これで売買できる状態になります。
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媒介契約・売却活動
不動産会社と契約し、買主を探します。
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売買契約・引渡し
条件がまとまり、契約・引渡しを行います。
見落とされがちなのが、3の書類収集や2の遺産分割協議に思いのほか時間がかかる点です。戸籍をたどると相続人が想定より多かった、書類が各地の役所に散らばっていた、ということも珍しくありません。登記手続きそのものの詳細な要件は、法務局や法務省のページでご確認ください。
名義の整理には時間がかかりますが、その間に売却の見通しを立てておくことはできます。スター不動産では、名義整理と並行して現況確認や販売の準備を進め、動き出しを早められるよう対応しています。
混同しやすい「2つの期限」を整理する
相続登記の義務化には、数え方の違う期限が2つあります。自分がどちらで数えるのかを押さえておきましょう。
| 項目 | ①これから相続する(施行日以後) | ②すでに相続している(施行日より前) | あなたはどちらで数える? |
|---|---|---|---|
| 対象 | 令和6年4月1日以後に発生した相続 | 令和6年4月1日より前に発生した相続 | 相続がいつ起きたかで決まる |
| 期限の起点 | 不動産を取得したことを知った日 | 施行日と取得を知った日の遅いほう | 起点から3年以内は共通 |
| 期限 | 起点から3年以内 | 起点(遅いほう)から3年以内 | 早めに数えておくのが安心 |
どちらのケースでも「3年以内」という長さは同じですが、起点が違います。特に②の過去分は、施行日(令和6年4月1日)を起点に数えるため、思っているより期限が近いことがあります。
名義を整えたうえで売却する場合、次に気になるのが「売ったときの税金」です。相続した空き家を売る際に使える可能性がある特例については、こちらの記事で整理しています。
あわせて読みたい 長崎で相続した空き家の売却と3,000万円特別控除|期限と要件をわかりやすく解説 https://star-real-estate.co.jp/news/239/「相続人申告登記」という簡易な選択肢もある
遺産分割の話し合いがまとまらず、期限内に相続登記まで進められない、というケースもあります。そうした場合に使えるのが、令和6年4月に新しく設けられた「相続人申告登記」です。
相続人申告登記は、法務局に対して「自分がこの不動産の相続人である」旨を申し出る手続きです。これをしておくと、相続登記の申請義務を(ひとまず)果たしたものとみなされます。遺産分割が長引きそうなときに、過料のリスクを避ける手段として用意されている制度です。
ただし、注意が必要な点があります。
- 相続人申告登記は、あくまで「相続人である」と申し出る手続きで、不動産の名義(持分)を移す登記ではありません
- そのため、これだけでは売買のための所有権移転はできません
- 実家を売却するには、別途、正式な相続登記(名義変更)が必要になります
つまり、相続人申告登記は義務を果たすための一時的な手段にはなっても、売却の準備としては不十分です。売ることを視野に入れているなら、最終的には正式な相続登記まで進めておく必要があります。
長崎で相続した実家を売るときにつまずきやすいこと
制度の理解が進んでも、実際に動き出すと手間取る場面があります。長崎でご相談を受けていて、特によくあるものを挙げます。
県外に住んでいて戸籍集めや書類のやり取りが進まない
相続登記には、被相続人の出生から死亡までの戸籍など集める書類が多く、県外在住だと役所とのやり取りが郵送中心になり時間がかかります。地元にいる不動産会社が現地を確認できると、売却側の準備を先に進められる分、全体が早く動きます。
兄弟共有・祖父名義のまま放置されている(数次相続)
長崎のような古くからの住宅地では、前の代の相続登記が済まないまま、名義が祖父や祖母のままになっている物件もあります。
- 前の代の名義のまま次の相続が重なると、相続人が枝分かれして人数が増えていきます
- 放置する年数が長いほど、話し合いや書類集めの手間が大きくなります
- 兄弟で共有しているケースでは、誰が取得して売るのかを先に決めておく必要があります
こうした「名義が複雑な物件」は、地方では決して珍しくありません。早めに現状を把握しておくほど、選択肢を広く保てます。
名義を整えないまま売却の話だけ先に進めてしまう
買主が見つかってから名義の問題が発覚し、引渡しに間に合わない——これは避けたいつまずきです。名義の確認と整理は、売却活動と並行して早い段階から進めておくのが安心です。誰がどう動くかで段取りが変わるため、相続人が複数いる場合は方針を早めに共有しておきましょう。
よくある質問
名義が親のままでも実家を売れますか?
そのままでは売れません。不動産の売買では登記名義人から買主へ名義を移すため、名義が被相続人(親)のままだと売買を成立させられないのが原則です。売却するには、まず相続人へ名義を変更する相続登記が必要になります。
相続登記をしないまま放置すると、本当に過料を取られますか?
相続登記の義務化では、正当な理由なく申請を怠った場合、10万円以下の過料の対象になりうるとされています。過去に発生した相続も対象で、施行日か取得を知った日の遅いほうから3年以内が期限です。詳しい取り扱いは法務省のページで確認できます。
相続人申告登記をすれば、そのまま売却できますか?
相続人申告登記は「相続人である」と申し出る手続きで、名義(持分)を移す登記ではありません。申請義務を果たす手段にはなりますが、これだけでは売買のための所有権移転はできず、売却には別途正式な相続登記が必要です。
まとめ|長崎の実家、まず名義の状態を確認することから
相続登記の義務化は、実家を持つ方にとって「いつか」を「いつまでに」に変える制度です。ポイントを整理すると次のとおりです。
- 相続登記は令和6年4月1日から義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が求められる。怠ると10万円以下の過料の対象になりうる
- 過去に発生した相続も対象で、施行日か取得を知った日の遅いほうから3年以内が期限
- 義務化とは別に、名義が親のままでは売れない。実家を売るなら相続登記が前提になる
- 期限は数え方が2通りあり、自分の相続がいつ起きたかで起点が変わる
- 相続人申告登記は義務を果たす簡易な手段だが、売却の代わりにはならない
次に確認していただきたいのは、この3つです。
- 実家の登記名義がいま誰になっているかを確認する(登記事項証明書などで確認できます)
- 相続の開始日(親が亡くなった日など)から、期限がいつになるかを数える
- 名義を整える手続きと並行して、実家の売却の見通しを立てておく
名義が親のままだと聞くと、手続きが大変そうで身構えてしまうかもしれません。ですが、いまの状態を確認して、期限から逆算して動き出せば、あわてずに進められます。売れる見通しが立っていれば、名義整理にかける時間も無駄になりません。
スター不動産は長崎市に根ざした不動産会社として、名義が古いままの実家や、県外にお住まいの方の相続物件の売却にも数多く対応してきました。名義がどうなっているか分からない、という段階でも構いません。まずは実家の状況をお聞かせいただければ、売却まで何をどの順番で進めればよいかを、地元の土地勘をもとに粘り強くお手伝いします。
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